今はアニメ番組の改変期でもありますが、この春のお気に入りアニメについては
何も語っていなかったので、今回はその中の一作品について少し語りたいと思います。


その作品とは、これ(↑)。『終末トレインどこへいく?』です。
漫画や小説などの原作のない完全オリジナルのアニメ作品で
監督は『ガールズ&パンツァー』の水島努さん、キャラクターデザインは
『ラブライブ!』シリーズの西田亜沙子さんといった制作スタッフ陣ということで
アニメファンからはそのあたりで注目されていたようですが、
鉄ちゃんである私としては、どんなジャンルの話かすらも知らず
「女の子たちが、西武2000系に乗って、吾野から池袋まで西武池袋線を旅する話」
という概要を聞いただけで、放送前から楽しみにしていた話でした。
個人的にはなんとなく『ヤマノススメ』みたいなほのぼの系ストーリーを
イメージしてたりしていたんですが、実際観てみてビックリ仰天!?
とてつもない世界を描いていた作品だったんですね。
当初予想してたイメージとはかけ離れたものだった上に、
先の展開もほとんど読めない異色作品だったんですが、
私自身いつしか引き込まれてしまって、毎週観るのがとても楽しみな作品となり
つい先日最終話を見たばかりだったりします。
簡単にプロローグを振り返りますと・・・


(↑)話の発端は、2年前の7G事件。
7Gは作中で最新の移動通信システム(ちなみに実際の現在の最新は5Gです)。
埼玉県の吾野から池袋を訪れていた女子高生・中富葉香は、
ポンタローなる人物に半ば拉致同然に「7G回線開通式典」に参加させられ、
7G回線開通ボタンを押させられてしまう。


(↑)そしてボタンを押した途端、世界は一変し、
急激な緑化と風化、地域の物理的な距離の拡大、その他数々の異変による混乱で
政府機関も社会インフラの大半もその機能を失ってしまった。
葉香はそれ以来、行方不明となってしまっている。


(↑)葉香の故郷、吾野も7G事件の影響を受けていた。
吾野近辺では、21歳3ヶ月を越えた住民が動物化してしまうという異変が発生していた。




(↑)そんな中、葉香の親友で葉香を探していた千倉静留(しずる)は、ある時偶然
配達物の包装に使われていた新聞紙から、2年前に消息を絶った葉香の所在を知る
こととなる。葉香が池袋にいると知った静留は、突如学校を辞めると告げて、
自ら池袋を目指すことを決意した。




(↑)静留が葉香のことを必死に探しているのには、親友であること以外にも理由があった。
葉香は行方不明になる前、自分の夢を静留に打ち明けていたが、
静留はそれに対して否定的な言葉を発してケンカとなってしまい
それ以来会っておらず、ケンカ別れしたままの状態だったのである。




(↑)静留は、元電車運転士の平善治郎(かつて7Gに大反対したため
うにゃうにゃ手術なる手術で認知症老人にされていたが、運転士の制帽を被ると
本来の年齢の元の姿に戻り、1日5分間だけ正常な発言ができる人となっていた。)
から吾野駅に放置されていた2000系電車の運転技術を教わっていた。




(↑)その電車を自ら運転し、一人で池袋に向かおうとする静留・・・。
しかし、それを知った友人の撫子・玲実・晶、そして葉香の愛犬だったポチさんが
駆け付け、ともに30駅先の池袋へと旅立つこととなった。
・・・と、この先も語ってしまうと
これから観ようというみなさんの楽しみを奪ってしまうネタバレになってしまいますので、
ひとまずここまでにしておきますが、
この先の西武池袋線沿線各所も7G事件の影響で
どこもハチャメチャな世界になっていまして、電車が立ち寄る駅ごとに
とんでもないものに出くわして、彼女たちはいろんな目に遭遇することになります。
最終的には、池袋で葉香に出会えた静留が葉香と仲直りし、
7Gでおかしくなった世界を元通りに戻して
みんなで一緒に吾野へ戻ってハッピーエンド・・・??
というストーリー展開をひとまず思い描きたくなるところですが、
はてさて、そんな何もかもがうまくいく大団円となったのか?
あるいはよりカオスが深まって更なるストーリーが続きそうなところで終わるのか?
まだご覧になっていないみなさんは、ぜひともご自分の目でご覧になって
確認していただければと思います。




この作品、あまりに異色なストーリーゆえに、おそらく賛否両論あるでしょうけど、
私自身、静留をはじめとした各登場人物の魅力と作画クオリティの高さに
とにかく惹かれるものがありましたね。
なにより、西武の2000系が実車以上に(?)カッコよく描かれていて
7Gでおかしくなってる世界とはいえ、随所に西武池袋線のリアル要素も
ちりばめられていて、鉄ちゃんとしてもこの上なく楽しめる世界でした。
これを観て、西武池袋線に乗って吾野あたり聖地巡礼する人とかも増えそうですが、
西武鉄道さんも、このアニメの制作に協力した甲斐はありそうですね(↓)。
