2024年07月31日
2024 夏真っ盛り
酷暑の夏・・・は、
もはや当たり前の日本の夏となってしまったようですが、
このところは全国各地で連日、天気予報が「危険な暑さ」と表現する
凄まじい猛暑を観測していますね。
昔は35℃を超える猛暑日なんて、
ひと夏に2〜3日あるかないかというところだったんですが、
今やこの時期は最高気温37〜38℃は当たり前、40℃超えなんてところもあり、
とりわけ湿度の高い日本では体感的に灼熱地獄というか、
本能的に命の危険すら感じてしまいます。
私の子どもの頃は、夏というのは、暑くても一年で一番輝いていて
イベントも盛りだくさんの楽しい季節というイメージが強かったんですが、
今や「恐ろしい灼熱地獄の季節」という印象が先行するようになってしまい
夏が来るたびに、早く秋が来ることを願うばかりになってしまいました(苦笑)。
とはいえ、今年もこの暑い季節はまだ1か月以上は確実に続きますので、
この先も熱中症警戒アラートなどを気にしつつ、万全の対策の下、
夏コミ等のイベントも楽しみながら、なんとか乗り切りたいところですね。
さて、7月26日からは、パリオリンピックが始まっています。
前回の東京オリンピックからもう4年が経ったのかと思いきや、
よく考えたら前回の東京はコロナ延期で2021年の夏開催。
今回は3年ぶりなんですね。
試算を大幅に上回る膨大な運営費(関連経費を含めると約3兆6,845億円)
をかけたにもかかわらず、コロナ禍でなんとも寂しい
無観客開催となった3年前の東京オリンピックは、
その後のスポンサーをめぐる一連の汚職事件の闇なども相まって
オリンピックというイベント自体の存在意義すら
ネガティブに感じさせてしまうものがあり、
今回のオリンピックも「あ〜また始まるのか」程度にしか
思えなくなってた私だったんですが、始まってしまうと
やっぱりいろいろ観ちゃいますね。
ここまでの数日間で、いくつかの種目をちらほら観てきましたが
その中で一番印象に残ったのは、やっぱり、
28日の女子柔道52kg級の阿部詩選手の2回戦ですかね。
阿部詩選手は3年前の東京大会での王者。今回の2回戦も
ウズベキスタンのケルディヨロワ選手を相手に優勢に試合を運んでいた
はずだったんですが、その3分4秒…一瞬の隙の電光石火の谷落としで
一本負けを喫してしまいました。
直後は茫然とし、そして号泣する詩選手。会場内に響き渡る「ウタコール」。
勝っても表情一つ変えず、冷静に前を見据えるケルディヨロワ選手。
両選手とも国の期待を一身に背負い
一般人には想像もつかないほどのプレッシャーの中で
この日のオリンピック会場の畳の上に立っていたはずですが、
勝負の世界とは厳しいもの、
その明暗は一瞬のうちに分かれてしまうんですね。
畳の上で人目もはばからず泣き崩れる詩選手の様子を
柔道家らしからぬみっともない姿と批判する人も多いみたいですが、
兄の一二三選手との兄妹ダブルのメダルを期待され
これまで多くの人に支えてもらいながら
日々頑張ってきたことへの万感の想いからこみ上げた涙かと思うと
私などは、これを酷評する気には到底なれません。
一方のケルディヨロワ選手はその後も勝ち進み、
ウズベキスタン柔道初の金メダリストとなりましたが、
阿部詩選手に勝った時の感想を聞かれ
「彼女はレジェンド。尊敬しているから勝っても彼女の前では喜びたくなかった。」
とのコメントを残したとか。
世界のトップレベルで切磋琢磨しているライバルだからこそ
相手の気持ちが誰よりもわかっている彼女の心からの本音だったとも思いますが、
勝者となっても相手へのリスペクトを忘れないその立ち振る舞いは、
まさに「心・技・体」を兼ね備えた武道家の鑑ともいうべき佇まいで、
こちらも感銘を受けましたね。
いや〜、なかなかのドラマでしたよ。
柔道も「有効」が廃止され、「一本」と「技あり」だけになったかと思えば
その後「合わせ技一本」が復活したりとルールが二転三転する中
オリンピックでも審判の不可解判定で揉めたりするケースが多く
そのたびに「アジア人差別だ」「欧州びいきだ」「審判の質が低い」
「柔道とJUDOがかけ離れたものになった」等々の声が上がり
ここ数年なんか殺伐としているなという感じもあるんですが、
こういう試合を観ると、素人ながらにやっぱり「いい試合は、いい」
という感想を持っちゃいますね。
他にも、女子サッカーのブラジル戦での土壇場逆転劇や
惜しくも大金星を逃すも、フランス代表相手に死闘を演じた男子バスケなど、
観ている方も熱い想いがこみ上げてくる試合の数々がありましたが、
メダルの行方よりも、こういうドラマ性が楽しみな私としては
今回のオリンピックはなかなか楽しめるものになっています。
8月11日の閉会式まであと10日以上の日程を残していますので
この先もこういう熱いドラマを楽しみにしたいところです。
ただ、一方、今回のオリンピックは「エコ」を強調するあまり
選手村の食堂の食べ物の供給量やメニュー、エアコンのない部屋などに対して
各国選手の不満が凄いことになってるみたいですね。
「エコ」というのもやり方を考えないと、ただの企画側の「エゴ」にしか
ならんのよという好例になってしまっている感もあります。
それと、開会式が行われ、トライアスロンの会場にもなっているセーヌ川ですが
この川、生活排水がふんだんに流れ込むえらい汚いドブ川だったんですね。
100年以上前の1923年から水質汚濁のため既に遊泳禁止だったそうで、
今回は巨額の資金を投じて未処理排水が流れ込むのを防ぐ貯水池などを設け
水質の改善を進めたそうなんですが、実態としてあまり改善は見られず、
大会実施の判断基準ギリギリのところで競技が開催されているとのこと。
都市部の川が汚いのは、世界的にどこも似たようなものだとも思いますが、
セーヌ川の大腸菌数は大阪の道頓堀の4倍以上と聞くと、日本人としては
結構ビックリしてしまいますね。
今は阪神優勝時よりも危険な状況かも?・・・というのは半分冗談ですが、
今回のオリンピックを機に、各国の各都市は河川の水質改善についても
もっと関心を持った方がよさそうです(苦笑)。
posted by 松風あおば at 23:58
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