2020年08月24日

福知山線旧線跡(武田尾)を歩く(1)

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兵庫県尼崎市の尼崎駅から京都府福知山市の福知山駅を結ぶJR福知山線。
奇しくも2005年(平成17年)の尼崎駅〜塚口駅間での列車脱線事故
(JR福知山線脱線事故)で知れ渡ってしまった路線でもありますので
その名前をご存知の方は多いかと思います。

その福知山線・・・
もともとは阪神都市圏と丹波地方とを結ぶ
単線非電化のひなびたローカル線だった路線なんですが、
1980年代から90年代にかけて兵庫県北部のニュータウン開発による
沿線人口の急増に伴い輸送力増強を迫られたことから
路線の複線電化・運転本数増加が急速に進み、
現在はJR西日本のアーバンネットワーク(京阪神都市近郊路線網)を
構成する一大幹線となっているんですね。

そんなローカル線から一躍
都市近郊路線として大きく変貌した福知山線なんですが、
その単線非電化路線から複線電化路線へと切り替わる過程において
路線自体をショートカットするため
新たに作られたトンネルを経由する新線に切り替わる形で
廃止となった区間もありました。
それは、武庫川(むこがわ)の渓谷に沿って山間部を縫うように走っていた
生瀬(なまぜ)駅〜道場(どうじょう)駅間12.2kmの区間。
この区間には古くから温泉場のある武田尾(たけだお)駅もあり
この駅も旧線の廃止とともに新線上への移転を余儀なくされ
現在に至っているんですが、
その旧・武田尾駅と生瀬駅を結ぶ武庫川渓谷沿いのかつての旧線跡は
現在はハイキングコースとして整備され、鉄道マニアのみならず、
多くの人に知られる新たな観光スポットになっていたりします。

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(↑)武田尾駅周辺地図(当サークル『てつもえW』より抜粋)

当サークル「虹の卵」の、鉄オタ女子のお話『てつもえ』の
総集編4巻(『てつもえW』)にて描き下ろした
「番外編〜涼子のフォトトリップ(福知山線旧線)〜」は
主人公あずみのライバル(?)の撮り鉄女子大生・朝井涼子が
この武田尾を訪れるエピソードだったんですが、
この話、みなさんからの反響が予想以上に良かったんですよね(笑)。
私・松風はその資料集めなどもあって、2018年・2019年と、どちらも
5月の関西コミティア参加の延長旅行でこの武田尾を訪れていたんですが、
こちらの日記ではその時の話をすることなく今に至っていました(汗)。

奇しくも今年はコロナのせいで、5月の関西コミティアが中止となり
なかなか旅行にも行けない雰囲気となってしまっているところで、
今さらながらなんですが、今回(+次回+次々回)は
昨年の関西コミティアの後に訪れた際の写真でもお見せしながら
この武田尾周辺の旧線跡について紹介しようかと思います。


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(↑)時は2019年5月27日(関西コミティアの翌日)、
  大阪から福知山線の快速「丹波路快速」(223系)に乗り込みました。
  目指すは武田尾です。

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(↑)正確には、尼崎から先が福知山線です。
  列車はしばらくは関西都市圏の住宅地エリアを駆け抜けます。

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(↑)「丹波路快速」は武田尾には停まらないので宝塚で普通列車(207系)に乗り換えます。 
  関東在住の私にとって日頃乗る機会のないJR西日本の車両は
  何が来てもワクワクしますね(笑)。

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(↑)福知山線は宝塚より先は山あいに入っていきます。
  車窓の風景も一変し、緑が濃くなってきました。
 
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(↑)大阪から電車に揺られること40数分。
  列車はトンネルに挟まれた山あいの渓谷の駅に到着しました。
  ここが武田尾駅です。

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(↑)トンネルとトンネルの間に挟まれた
  武庫川の橋梁(第二武庫川橋梁)上にある武田尾駅。
  正確にいうと、ホームの北半分はトンネル(第1武田尾トンネル)の中にあります。


武田尾駅の開業は1899年(明治32年)・・・なんですが、
この場所に武田尾駅が設置されたのは1986年(昭和61年)のこと。
上述した1980年代の福知山線の複線電化工事の過程で
1986年8月に当駅を含む生瀬駅〜道場駅間の新線切り替えがあり
この駅は当初あった場所からここに移転してきたんですね。

旧駅跡はここから武庫川沿い(下流側)に350mほど離れた
この後訪れる旧線跡ハイキングコースの入り口近くにあるんですが、
まずは今の武田尾駅の様子から見てみることにします。

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(↑)ホームからは武庫川の渓谷が一望できます。
  歴史ある武田尾温泉の最寄り駅でもあるこの駅ですが、
  駅周辺にはほとんど何もなく、5月の青空の下、
  鳥のさえずりと川のせせらぎの音だけが響き渡っていました。
  
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(↑)列車が去った後のホームは一気に静寂に包まれます。

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(↑)半分トンネル内の駅なので、なんとも独特な雰囲気があります。
  人気が無いとちょっと怖い感じもしますね(苦笑)。  

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(↑)そんな秘境駅のような雰囲気満載の武田尾駅・・・なんですが、
  福知山線の列車の本数は結構多く
  上下とも毎時10数分間隔に普通列車がやってきます。
  通過列車(「丹波路快速」や特急「こうのとり」)も含めると
  結構ひっきりなしに列車が通り過ぎているという感じですね。

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(↑)ホームの橋梁部分からもう一度、武庫川の渓谷を眺めてみます。
  両岸の川沿いに道が通っていますが
  武田尾駅(駅舎)側の道路は実は福知山線の旧線跡。
  かつての線路跡が今はそのまま駅前通りになっているんですね。

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(↑)ということで、そろそろ駅の外に出たいと思います。
  今は無人駅なので改札口に駅員の姿はありませんが
  自動改札機は普通に(ICOCAなど)ICカードの利用が可能です。

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(↑)駅前(改札口前)は鉄橋(ホーム)の真下なのでちょっと圧迫感がありますね。
  温泉郷の入り口の駅らしく旅館への案内図も掲示されています。

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(↑)かつての鉄路である駅前道路へはスロープを下りていきます。
  こうしてみると、いかにも渓谷の狭い空間に強引に埋め込んだ駅
  という感じがしますね。

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(↑)駅前にはバス停(JR武田尾バス停)もありました。
  近くの集落との間を結んでいる路線バスのようで、観光向けではなさそうです。

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(↑)かつて福知山線が走っていた旧線跡は
  何の変哲もないアスファルトの道路に様変わりしていましたが
  昔日の鉄道時代の面影はどれほど残っているでしょうか?


というわけで、ここからかつての旧・武田尾駅跡、
さらにその先の旧線跡を利用した武庫川沿いのハイキングコースへと足を進めますが・・・
長くなりますので、この続きはまた次回にしたいと思います。
posted by 松風あおば at 23:31 | 日記