2021年08月20日

訃報 みなもと太郎先生

漫画家のみなもと太郎先生が今月7日、
心不全で亡くなっていたことが発表されました。
享年74歳。


みなもと太郎先生の代表作といえば、『風雲児たち』。
関ケ原の戦いから幕末の動乱期に至る壮大な近世史を
ギャグ漫画のタッチで独創的に描いた異色の歴史大河漫画で、
この作品で歴史に興味を持ったというファンは数知れず、
未完に終わってしまったのは残念なところながら
まさに日本漫画史に残る大作とも言える作品かと思います。
他にも『ホモホモ7』、『レ・ミゼラブル』など
ギャグ漫画から劇画タッチ、少女漫画タッチ、アニメタッチの漫画まで
さまざまなジャンル、作風の作品があり、
また、漫画評論家、漫画研究家としても知られ
著書に「お楽しみはこれもなのじゃ 漫画の名セリフ」
「マンガの歴史」等もあるなど、その活動の幅は広く
漫画界や多くの後輩漫画家に多大な影響を与えた
人物であったことも間違いありません。

私・松風自身が、みなもと先生に最初にハマったのは
(トシがなにげにバレそうですが)
小学生の時に毎月読んでいた学研の学習雑誌に連載されていた
『とんでも先生』などのギャグ漫画。
いや〜あれは本当に面白かったな・・・と
今でも懐かしく思い出されます。
その後、『風雲児たち』やその外伝などの有名作品にも触れ
みなもと作品の幅広さにその都度改めて驚いておりましたが、
私自身、趣味で同人漫画を描くようになって
参加したコミティアの見本誌コーナーで
みなもと先生の同人誌を見つけた時はさらにビックリしました。
みなもと先生のサークル(みにゃもと)の席で先生ご本人から
直接手渡しで作品を購入できた時は正直感動でしたよ。

みなもと先生ご自身が同人誌を作って
コミケやコミティアに参加するようになったのは
50歳を過ぎてからだったそうですが、
同人誌でもいろいろな作品を出していて
最近は『まどマギ』や『艦これ』などのパロディを取り入れるなど
その漫画への飽くなき取り組みと情熱には
「この先生、やはりただの時間の止まったベテラン漫画家ではないな」と
つくづく感心させられるものがありましたね。


まだまだご活躍されることをを大いに期待していた先生でしたが、
昨年から肺がんで闘病中だったとのことで
このたびのご逝去はあまりにも衝撃的だったと言いますか・・・
とにかく残念でなりません。

心より故人のご冥福をお祈り申し上げます。
posted by 松風あおば at 22:00 | 日記